四日間の奇跡

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四日間の奇蹟 – 宝島社文庫 – 浅倉 卓弥
障害を持った少女と、ピアノを弾けなくなったピアニストの物語。
分厚い本だったので、時間がかかると思ったのだが、
難しい本でもなく、「第一回このミステリーがすごい大賞」に輝いた作品らしく、
どきどきしながら読んでみた。
帯には「魂の救いファンタジー」と書かれていた。
とても読み応えのある本だった。
物語は聖書になぞらえてか、神秘的でもある。
情景描写がとてもすごく、鮮明に頭の中に舞台が浮かんだ。
中でも一番印象にのこったのは「脳」についてだった。
大脳皮質という部分は48の「野」という単位で分けられているらしい。
その48という数字には謎があり、
1から47までと52の数字が「野」としてあてられ、
計48個の数字が使われている。
48から51の数字が使われていないのだ。
本の言葉を使えば、
「4つの数字がどこにあてられようとしたのか」
「逆に最後の数字を52にしたのはなぜか」
というミステリーがあり、
このことは「野」をわりあてた学者しかしらない。
心が痛むとき、胸がジーンとする。
ハートは胸にあり、我々が目で認識することはできない。
まだ謎の多い脳の秘密を暴くことは、
心と呼ばれるものに近づくことかもしれない。
(「心」という言葉はこういった場合不適切かもしれない)
物語終盤には、人間の謎を描こうとする作者の苦悩が
感じられた。目に見えない何かが伝わってくる気がした。
人は再生する。
神々に手を伸ばそうとする人間は、愚かかもしれない。
もしかするとソドムとゴモラのように、
滅ぼされてしまうかもしれないのに。
僕は自分がどこから来たのかは、決してわからないと思った。
しかし、どこに行くかは自分で決めたい。
たとえ最後に死んでしまうとしても、
自分の向かう先にはきっと何かが待っている。
こんな文章では伝えきれない何かがきっとある。
そう信じて生きていくのが、人間だと思いたい。
四日間の奇蹟